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最新論文

Mortality in non-exacerbating COPD: a longitudinal analysis of UK primary care data.

Lenoir A, Whittaker H, Gayle A, et al.

増悪するCOPD患者と比較した、増悪しないCOPD患者の臨床的特徴・死亡率・死亡原因を、UKのプライマリケアデータを経時的に解析して検討した。67,516例のうち、17.3%が3年間のベースライン期間に増悪していなかった。増悪しない患者は、増悪する患者と比較して、男性が多く(63.3% vs 52.4%、p<0.001)、喘息の既往歴(33.9% vs 43.6%)や%FEV1<50%(23.7% vs 31.8%)のない人が多かった。増悪する患者と比較した増悪しない患者の全死亡の調整後HRは、追跡期間最初の1年で0.62(95%CI;0.56-0.70)、その後で0.87(95%CI;0.83-0.91)であった。増悪する患者と比較して増悪しないCOPD患者は、呼吸器疾患で死亡する例が少なく(29.2% vs 40.3%)、悪性腫瘍(29.4% vs 23.4%)および心血管疾患(26.2% vs 22.9%)で死亡する例が多かった。

Thorax. 2023 Sep;78(9):904-911.

Causes of and Clinical Features Associated with Death in Tobacco Cigarette Users by Lung Function Impairment.

Labaki WW, Gu T, Murray S, et al.

本研究では、喫煙者において、死亡に関連する原因や臨床的特徴が、呼吸機能障害の程度によってどのように異なるかを検討した。追跡期間中央値10.1年の間に、10,132例の参加者のうち2,200例が死亡した。心血管疾患による死亡はPRISmにおいて最も頻度が高かった(死亡の31%)。肺がんによる死亡はGOLD1-2において最も頻度が高かった(死亡の18% vs 他の群においては9-11%)。呼吸器疾患による死亡は、GOLD3-4、特にBODE index≧7の場合において、他の死亡原因を上回っていた。SGRQスコア≧25はすべての群において高い死亡率と関連していた。呼吸器増悪の既往歴はGOLD1-2およびGOLD3-4において、定量的気腫性病変はGOLD1-2において、気道壁肥厚はPRISmおよびGOLD3-4において、高い死亡率と関連していた。

Am J Respir Crit Care Med. 2023 Aug 15;208(4):451-460.

Diastolic Cardiomyopathy Secondary to Experimentally Induced Exacerbated Emphysema.

Grillet PE, Desplanche E, Wynands Q, et al.

駆出率が保たれた心不全(HFpEF)は特にCOPDの気腫性病変と関連しているようである。本研究では、急性増悪気腫性病変ラットモデルにおける遅発性心臓生理学的影響を研究することを目的とした。実験的増悪気腫性病変は、呼吸機能低下と運動耐容能低下を引き起こした。組織学的分析によって、炎症や心筋線維化の徴候のない肺実質の破壊が明らかになった。In vivoの心機能分析によって、拡張機能不全と頻脈が認められた。Ex vivo分析によって、筋フィラメントのCa2+感受性低下、架橋サイクリング動態、アドレナリン作動性PKA依存性トロポニンⅠリン酸化の増加を伴う細胞性心筋症が明らかになった。実験的増悪気腫性病変は、二次的なβアドレナリン作動性緊張の増加とそれに続く心筋フィラメント機能不全と考えられる運動耐容能低下と関連していた。本研究の結果は、心筋フィラメントを標的とした新規治療戦略が、増悪気腫性病変関連HFpEFを治療するのに有益である可能性を示唆している。

Am J Respir Cell Mol Biol. 2023 Aug;69(2):230-241.

An Update on Outcomes for COPD Pharmacological Trials: A COPD Investigators Report - Reassessment of the 2008 American Thoracic Society/European Respiratory Society Statement on Outcomes for COPD Pharmacological Trials.

Cazzola M, Rogliani P, Barnes PJ, et al.

2008年、ATS/ERSの作業部会は、COPD患者における薬物治療の影響を評価するための臨床アウトカムおよびバイオマーカーの使用可能性と限界についての論文を発表していた。いくつかの新たなアウトカム尺度の出現によって、著者らはこの分野の進歩をレビューし、元のレポートの内容を更新する必要性を強調するようになった。エンドポイント、アウトカム、バイオマーカーが再検討された。ERS/ATS作業部会文書で報告されているもののいくつかの限界が強調された。さらに、特に個別化治療を評価するのに有用な可能性のある新たなツールについて説明された。「ラベルフリー」のtreatable traitsに対するアプローチは、precision medicineの重要なステップになるため、将来の臨床試験はよくみられるtreatable traitsに焦点を当てる必要があり、それは考慮すべきアウトカムとマーカーの選択に影響を与えるであろう。特に複合エンドポイントといった新たなツールの使用は、新薬で治療されるべき適切な患者をよりよく特定するのに役立つ可能性がある。

Am J Respir Crit Care Med. 2023 Aug 15;208(4):374-394.

European Respiratory Society clinical practice guideline: palliative care for people with COPD or interstitial lung disease.

Janssen DJA, Bajwah S, Boon MH, et al.

ERS作業部会は、COPDまたはILD成人患者の呼吸ケアへの緩和ケアの導入と統合に関する推奨を作成した。COPDまたはILD患者の緩和ケアについて以下の定義が承諾された:COPDまたはILDによる重篤な健康関連苦痛のある患者の症状をコントロールしてQOLを改善し、患者のインフォーマルな介護者をサポートする目的の、全体的・集学的でperson-centredのアプローチ。推奨はCOPDまたはILD患者およびそのインフォーマルな介護者に関して作成された。①全体的なニーズの評価をとおして、身体的・精神的・社会的・実存的なニーズが認められた場合に緩和ケアを考慮すること、②ニーズに従って、インフォーマルな介護者のサポートも含めた緩和ケア介入を提供すること、③選択に従ってアドバンス・ケア・プランニングを提供すること、④日常的なCOPDおよびILDケアのなかに緩和ケアを統合すること。

Eur Respir J. 2023 Aug 17;62(2):2202014.

このサイトについて

下記雑誌に掲載されたCOPDに関する論文のうち、注目すべき論文を4人の編集委員が厳選。病因・病態、診断・評価、薬物治療などの分野に分け、各論文を簡単な要約で紹介しています。現在、2010年1月~2023年9月までの論文を掲載しています。

2名以上の編集委員が推薦した論文を掲載しており、2012年以降の論文より全員が推薦したものは、「」を表示しております。

※現在1437論文紹介しています。

対象雑誌

基礎系:
Am J Respir Cell Mol Biol, Cell, EMBO J, Nat Genet, Nature, PLoS One, Proc Natl Acad Sci USA など
臨床系:
Ann Intern Med, BMJ, JAMA, Lancet, Lancet Respir Med, N Engl J Med など
学会誌:
Am J Respir Crit Care Med, Chest, Eur Respir J, Respirology, Thorax など

名誉編集主幹

  • 福地 義之助(順天堂大学 名誉教授)

編集主幹

  • 一ノ瀬 正和(大崎市民病院アカデミックセンター監理官)

編集委員

  • 杉浦 久敏 (東北大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 教授)
  • 柴田 陽光 (福島県立医科大学呼吸器内科 主任教授)
  • 室 繁郎  (奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授)

2010.1~2018.12までの編集委員

  • 永井 厚志 (新百合ヶ丘総合病院呼吸器疾患研究所 所長)
  • 西村 正治 (北海道呼吸器疾患研究所 北海道大学 名誉教授)
  • 三嶋 理晃 (大阪府済生会 野江医療福祉センター 総長 野江病院 院長 京都大学 名誉教授)