COPD Selected Papers Online

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下記雑誌に掲載されたCOPDに関する論文のうち、注目すべき論文を4人の編集委員が厳選。病因・病態、診断・評価、薬物治療などの分野に分け、各論文を簡単な要約で紹介しています。現在、2010年1月~2021年6月までの論文を掲載しています。

2名以上の編集委員が推薦した論文を掲載しており、2012年以降の論文より全員が推薦したものは、「」を表示しております。

※現在1203論文紹介しています。

対象雑誌

基礎系:
Am J Respir Cell Mol Biol, Cell, Nat Genet, Nature, PLoS One, Proc Natl Acad Sci USA など
臨床系:
Ann Intern Med, BMJ, JAMA, Lancet, Lancet Respir Med, N Engl J Med など
学会誌:
Am J Respir Crit Care Med, Chest, Eur Respir J, Respirology, Thorax など

編集主幹

  • 福地 義之助(順天堂大学 名誉教授)

編集委員

  • 杉浦 久敏 (東北大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 教授)
  • 柴田 陽光 (福島県立医科大学呼吸器内科 主任教授)
  • 室 繁郎  (奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授)

2010.1~2018.12までの編集委員

  • 永井 厚志 (新百合ヶ丘総合病院呼吸器疾患研究所 所長)
  • 西村 正治 (北海道呼吸器疾患研究所 北海道大学 名誉教授)
  • 三嶋 理晃 (大阪府済生会 野江医療福祉センター 総長 野江病院 院長 京都大学 名誉教授)

最新論文

Diaphragm Morphology Assessed by Computed Tomography in Chronic Obstructive Pulmonary Disease.

Donovan AA, Johnston G, Moore M, et al.

CTで評価した横隔膜筋肉形態と、COPD重症度・増悪・健康状態・運動耐容能との関連を検討した。COPDの喫煙者65例で、平均横隔膜CT密度は3.1±10HUで、ドームの高さは5.2±1.3cm、筋肉量は57±24cm3であった。横隔膜CT密度の1-SD減少は、FEV1の8.3%低下、増悪歴の3.27倍の高いオッズ比、SGRQ-Cの9.7ポイント高値、VO2peakの2.5mL/kg/分低下と関連していた。ドームの高さの1-SD減少は、FEV1の11%低下、VO2peakの1.3mL/kg/分低下と関連していた。横隔膜筋肉量との関連は何も認められなかった。

Ann Am Thorac Soc. 2021 Jun;18(6):955-962.

Trajectories of asthma and allergies from 7 years to 53 years and associations with lung function and extrapulmonary comorbidity profiles: a prospective cohort study.

Bui DS, Lodge CJ, Perret JL, et al.

幼年期から成人期の喘息およびアレルギーの経時的trajectoryを評価し、呼吸機能アウトカムおよび併存症プロファイルとの関連を検討した。5つの喘息およびアレルギーのtrajectoryが同定され、4つの肺外病変のプロファイルが同定された。晩期発症喘息およびアレルギーのtrajectoryは、複数病変プロファイルと強く関連していた(相対リスク比3.3)。一方、他の喘息およびアレルギーtrajectoryは、メンタルヘルス障害優勢プロファイルとのみ関連していた。スパイロメトリーで定義されたCOPDおよび臨床的なCOPDは、早期発症持続型喘息およびアレルギーtrajectoryと最も強く関連しており(オッズ比5.3)、晩期発症喘息およびアレルギーtrajectoryとも関連していた(オッズ比3.8)。

Lancet Respir Med. 2021 Apr;9(4):387-396.

Mucus Plugs and Emphysema in the Pathophysiology of Airflow Obstruction and Hypoxemia in Smokers.

Dunican EM, Elicker BM, Henry T, et al.

COPDのある喫煙者における気流制限および低酸素血症のメカニズムへの粘液栓と気腫性病変の相対的役割を検討した。400例の喫煙者のうち、229例(57%)が粘液栓を、207例(52%)が気腫性病変を有しており、粘液優勢および気腫性病変優勢のサブグループに同定できた。高粘液栓スコアの喫煙者の33%しか粘液による症状を有していなかった。粘液栓スコアと気腫性病変割合は、独立してFEV1低値および末梢血酸素飽和度低値と関連していた(p<0.001)。粘液栓スコアと呼吸機能アウトカムの関連は、限局的気腫性病変の喫煙者で最も強かった(p<0.001)。低い粘液栓スコアの喫煙者と比較して、高いスコアの喫煙者では、CATスコアが悪く、年間増悪の頻度が高く、6分間歩行距離が短かった(p<0.001)。

Am J Respir Crit Care Med. 2021 Apr 15;203(8):957-968.

3D Oxygen-Enhanced MRI at 3T MR System: Comparison With Thin-Section CT of Quantitative Capability for Pulmonary Functional Loss Assessment and Clinical Stage Classification of COPD in Smokers.

Ohno Y, Yui M, Yoshikawa T, et al.

喫煙COPDの呼吸機能欠損評価および臨床ステージ分類における3D酸素造影MRIと薄切CTの能力を比較した。LAA%と呼吸機能パラメーターの相関(-0.76≦r≦-0.69、p<0.05)と比較して、平均T1値の変化(ΔT1)と呼吸機能パラメーターには有意により高い相関(-0.83≦r≦-0.71、p<0.05)が認められた。「軽症COPD」「中等症COPD」のΔT1およびLAA%は、「重症および最重症COPD」のΔT1およびLAA%と有意に異なっていた(p<0.05)。ΔT1(62.5%)およびLAA%とΔT1の組み合わせ(67.9%)の識別精度は、LAA%の識別精度(48.2%)より有意に優れていた(p<0.05)。(藤田医科大学)

J Magn Reson Imaging. 2021 Apr;53(4):1042-1051.

Air Pollution as a Risk Factor for Incident Chronic Obstructive Pulmonary Disease and Asthma. A 15-Year Population-based Cohort Study.

Shin S, Bai L, Burnett RT, et al.

COPD発症および成人発症喘息と、微小粒子状物質(PM2.5)・二酸化窒素(NO2)・オゾン(O3)・NO2とO3のレドックス加重平均(Ox)への過去の曝露との関連を検討し、濃度-反応関係の特徴を明らかにした。510万人のうち、340,733人がCOPDに、218,005人が喘息に罹患した。PM2.5の3.4μg/m3IQR増加ごとにHR1.07、NO2の13.9ppb増加ごとにHR1.04、O3の6.3ppb増加ごとにHR1.04、Oxの4.4ppb増加ごとにHR1.03で、COPD発症と汚染物質は正の相関を示した。対照的に、汚染物質と成人発症喘息を結びつける強いエビデンスは得られなかった。大気汚染はCOPDの発症増加と関連していたが、成人発症喘息とは関連していなかった。

Am J Respir Crit Care Med. 2021 May 1;203(9):1138-1148.