COPD Selected Papers Online

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下記雑誌に掲載されたCOPDに関する論文のうち、注目すべき論文を4人の編集委員が厳選。病因・病態、診断・評価、薬物治療などの分野に分け、各論文を簡単な要約で紹介しています。現在、2010年1月~2021年4月までの論文を掲載しています。

2名以上の編集委員が推薦した論文を掲載しており、2012年以降の論文より全員が推薦したものは、「」を表示しております。

※現在1181論文紹介しています。

対象雑誌

基礎系:
Am J Respir Cell Mol Biol, Cell, Nat Genet, Nature, PLoS One, Proc Natl Acad Sci USA など
臨床系:
Ann Intern Med, BMJ, JAMA, Lancet, Lancet Respir Med, N Engl J Med など
学会誌:
Am J Respir Crit Care Med, Chest, Eur Respir J, Respirology, Thorax など

編集主幹

  • 福地 義之助(順天堂大学 名誉教授)

編集委員

  • 杉浦 久敏 (東北大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 教授)
  • 柴田 陽光 (福島県立医科大学呼吸器内科 主任教授)
  • 室 繁郎  (奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授)

2010.1~2018.12までの編集委員

  • 永井 厚志 (新百合ヶ丘総合病院呼吸器疾患研究所 所長)
  • 西村 正治 (北海道呼吸器疾患研究所 北海道大学 名誉教授)
  • 三嶋 理晃 (大阪府済生会 野江医療福祉センター 総長 野江病院 院長 京都大学 名誉教授)

最新論文

3D Oxygen-Enhanced MRI at 3T MR System: Comparison With Thin-Section CT of Quantitative Capability for Pulmonary Functional Loss Assessment and Clinical Stage Classification of COPD in Smokers.

Ohno Y, Yui M, Yoshikawa T, et al.

喫煙COPDの呼吸機能欠損評価および臨床ステージ分類における3D酸素造影MRIと薄切CTの能力を比較した。LAA%と呼吸機能パラメーターの相関(-0.76≦r≦-0.69、p<0.05)と比較して、平均T1値の変化(ΔT1)と呼吸機能パラメーターには有意により高い相関(-0.83≦r≦-0.71、p<0.05)が認められた。「軽症COPD」「中等症COPD」のΔT1およびLAA%は、「重症および最重症COPD」のΔT1およびLAA%と有意に異なっていた(p<0.05)。ΔT1(62.5%)およびLAA%とΔT1の組み合わせ(67.9%)の識別精度は、LAA%の識別精度(48.2%)より有意に優れていた(p<0.05)。(藤田医科大学)

J Magn Reson Imaging. 2021 Apr;53(4):1042-1051.

Reduced All-Cause Mortality in the ETHOS Trial of Budesonide/Glycopyrrolate/Formoterol for Chronic Obstructive Pulmonary Disease. A Randomized, Double-Blind, Multi-Center, Parallel-Group Study.

Martinez FJ, Rabe KF, Ferguson GT, et al.

オリジナルの解析では52週時の生存状態が不明であった患者のデータを回復・追加して、増悪歴のある中等度以上の重症度のCOPDを対象にしたETHOS試験の死亡に関する知見の堅牢性を評価した。ITT集団の99.6%の52週時の生存状態を含めた最終の回復データセットにおいて、320μg ICS/LAMA/LABA群の死亡リスクは、LAMA/LABA群と比較して有意に低下していた(HR 0.51、95%CI;0.33-0.80、未補正p=0.0035)。320μg ICS/LAMA/LABAとLABA/ICSを比較した場合には死亡率に有意差は認められなかった(HR 0.72、95%CI;0.44-1.16、p=0.1721)。最初の30、60、90日を解析から除いても結果は同様であった。

Am J Respir Crit Care Med. 2021 Mar 1;203(5):553-564.

Effect of Age on the Efficacy and Safety of Once-Daily Single-Inhaler Triple-Therapy Fluticasone Furoate/Umeclidinium/Vilanterol in Patients With COPD: A Post Hoc Analysis of the Informing the Pathway of COPD Treatment Trial.

Hanania NA, Mannino DM, Criner GJ, et al.

IMPACT試験のアウトカムに年齢が影響しているかを事後解析で検討した。ITT集団は10,355例を含み、4,724例(46%)が64歳以下、4,225例(41%)が65-74歳、1,406例(14%)が75歳以上であった。LABA/ICSと比較して、LAMA/LABA/ICSは中等度/重度の増悪発現率を、64歳以下で8%(p=0.070)、65-74歳で22%(p<0.001)、75歳以上で18%(p=0.021)減少させた。またLAMA/LABAと比較して、64歳以下で16%(p=0.002)、65-74歳で33%(p<0.001)、75歳以上で24%(p=0.012)減少させた。65-74歳および75歳以上で最も大きい減少率が認められた。

Chest. 2021 Mar;159(3):985-995.

From Gold 0 to Pre-COPD.

Han MK, Agusti A, Celli BR, et al.

FEV1は、症状・増悪・生命予後を含む臨床的アウトカムの最も強力な予測因子の1つであるが、信頼できるデータによって、呼吸器症状(特に慢性気管支炎)・CTで検出される気道異常および気腫性病変・FEV1やDLCOの低下加速を含む生理学的測定値異常が、COPDのスパイロメトリー基準に合致しない個人に存在することが示唆されている。これらの異常は、将来気流閉塞になるリスクが増加している個人を同定するのに役立つと考えられる。本論文では、症状・生理学的異常・画像上の異常があるがスパイロメトリーは正常範囲内にある個人に「pre-COPD」という用語を使用するためのエビデンスを検証した。良好な感度と特異度を示し、臨床的に利用可能な「pre-COPD」の定義を育成するために、若年の症例の早期病変をより研究することが重要である。

Am J Respir Crit Care Med. 2021 Feb 15;203(4):414-423.

Augmented Lipocalin-3 Is Associated with Chronic Obstructive Pulmonary Disease and Counteracts Lung Adenocarcinoma Development.

Treekitkarnmongkol W, Hassane M, Sinjab A, et al.

自然免疫調節因子リポカリン2(LCN2)の肺炎症および肺腺癌における役割を検討した。Lcn2は肺腺癌発症中に徐々に上昇し、向炎症サイトカインおよび炎症性遺伝子セットと正の相関を示した。正常肺と比較して、LCN2はヒト腺癌で上昇していたが、扁平上皮癌では上昇しておらず、喫煙者のCOPDおよび腺癌患者と関連していた。LCN2発現の増加は、COPD関連腺癌発症の分子的様相であるが、抗癌免疫を維持することで、腺癌増殖には抵抗している。

Am J Respir Crit Care Med. 2021 Jan 1;203(1):90-101.