COPD Selected Papers Online

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下記雑誌に掲載されたCOPDに関する論文のうち、注目すべき論文を4人の編集委員が厳選。病因・病態、診断・評価、薬物治療などの分野に分け、各論文を簡単な要約で紹介しています。現在、2010年1月~2020年10月までの論文を掲載しています。

2名以上の編集委員が推薦した論文を掲載しており、2012年以降の論文より全員が推薦したものは、「」を表示しております。

※現在1131論文紹介しています。

対象雑誌

基礎系:
Am J Respir Cell Mol Biol, Cell, Nat Genet, Nature, PLoS One, Proc Natl Acad Sci USA など
臨床系:
Ann Intern Med, BMJ, JAMA, Lancet, Lancet Respir Med, N Engl J Med など
学会誌:
Am J Respir Crit Care Med, Chest, Eur Respir J, Respirology, Thorax など

編集主幹

  • 福地 義之助(順天堂大学 名誉教授)

編集委員

  • 杉浦 久敏 (東北大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 教授)
  • 柴田 陽光 (福島県立医科大学呼吸器内科 主任教授)
  • 室 繁郎  (奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授)

2010.1~2018.12までの編集委員

  • 永井 厚志 (新百合ヶ丘総合病院呼吸器疾患研究所 所長)
  • 西村 正治 (北海道呼吸器疾患研究所 北海道大学 名誉教授)
  • 三嶋 理晃 (大阪府済生会 野江医療福祉センター 総長 野江病院 院長 京都大学 名誉教授)

最新論文

Endothelial HIF-2α as a Key Endogenous Mediator Preventing Emphysema.

Pasupneti S, Tian W, Tu BA, et al.

気腫の病態形成における内皮細胞HIF(低酸素誘導因子)-2αの役割を評価した。内皮細胞HIF-2α欠損は気腫性病変を引き起こした。VEGFR2阻害薬に曝露すると、内皮細胞HIF-2αノックアウトマウスではより重度の気腫性病変を起こしたが、内皮細胞HIF-2α発現過剰マウスでは防御されていた。内皮細胞HIF-2αノックアウトマウスでは、HGFレベルの低下を示した。ヒト気腫性病変肺サンプルでも内皮細胞HIF-2α発現の低下が示された。肺内皮細胞HIF-2αには防御的役割があり、この内因性因子の発現低下は気腫性病変を引き起こす。

Am J Respir Crit Care Med. 2020 Oct 1;202(7):983-995.

Lung Development Genes and Adult Lung Function.

Portas L, PereiraM, Shaheen OS, et al.

成人の肺機能に対する肺発達遺伝子の影響を体系的に研究した。UKバイオバンクデータを用いて、肺の発達に影響すると知られている391の遺伝子とFVCおよびFEV1/FVCとの関連を調査した。55の遺伝子を同定したが、そのうち36は最近の最大の肺機能ゲノムワイド研究で同定されていないものであった。この36のシグナルのほとんどは、イントロンのバリアントで、血液および肺組織での発現データから、ほとんどは自身の存在している遺伝子の発現に影響を与えていることが判明した。55の遺伝子のうち53は、4つの生物学的カテゴリーに入れることができ、その機能は器官サイズおよび細胞統合性を調節することで、これらのプロセスは成人肺の健康に重要であると考えられた。

Am J Respir Crit Care Med. 2020 Sep 15;202(6):853-865.

Cigarette smoke-initiated autoimmunity facilitates sensitisation to elastin-induced COPD-like pathologies in mice.

Zhou JS, Li ZY, Xu XC, et al.

タバコ煙曝露が自己抗原への感作を促進するか、自己反応性T細胞がCOPD関連病態を引き起こすかを検討した。マウスの2週間のタバコ煙曝露は、エラスチン特異的T細胞反応を誘発し、エラスチン再刺激によって、好中球性気道炎症および粘液過産生を引き起こした。メカニズム的には、タバコ煙曝露によるエラスチン特異的T細胞反応は、MMP-12に依存しており、免疫炎症反応はIL17Aによって引き起こされていた。COPD患者では、抗エラスチン抗体およびエラスチンペプチド特異的T細胞が増加していた。MMP-12によって産生されたエラスチン断片は自己抗原となって、タバコ煙による自己免疫プロセスを引き起こし、気管支炎様フェノタイプや気腔拡大につながることが示された。

Eur Respir J. 2020 Sep 3;56(3):2000404.

Machine Learning and Prediction of All-Cause Mortality in COPD.

Moll M, Qiao D, Regan EA, et al.

臨床指標および定量的CTイメージングに機械学習(machine learning)を適用することで、COPDの死亡予測能が向上するかを検討した。COPDGeneの2,632例とECLIPSEの1,268例を組み入れた。死亡の予測因子の上位は、6分間歩行距離・%FEV1・年齢であった。画像の予測因子の最上位は、大動脈に対する肺動脈比であった。機械学習死亡予測(MLMP-COPD)モデルは、COPDGeneとECLIPSEにおいてC指標≧0.7となり、すべての死亡インデックスよりも有意に良好な結果となった(p<0.05)。BODEスコアの最も高い(7-10)群は64%の死亡率であったのに対し、MLMP-COPDモデルで定義した最も死亡率の高い群は77%の死亡率であった(p=0.012)。

Chest. 2020 Sep ; 158(3) : 952-964.

Dual LABA/LAMA Therapy versus LABA or LAMA Monotherapy for Chronic Obstructive Pulmonary Disease. A Systematic Review and Meta-analysis in Support of the American Thoracic Society Clinical Practice Guideline.

Mammen MJ, Pai V, Aaron SD, et al.

息切れと運動耐容能低下を訴えるCOPD患者に、LABAまたはLAMA単剤と比較して、LAMA/LABAがより効果が高くかつ同様に安全かを検討するために、システマティックレビューを行った。24試験(n=45,441)が適格で対象となった。入院の減少(11%減少、p<0.01)およびCOPD増悪(20%減少、p<0.002)に関してはLAMA/LABAの方が支持された。息切れの減少および健康関連QOLの改善に関しては、臨床的に意味のある弁別閾に到達しなかった。LAMAまたはLABA単剤と比較して、LAMA/LABAは治療による有害事象に差異を示さなかった(リスク比0.99、p=0.34)。

Ann Am Thorac Soc. 2020 Sep;17(9):1133-1143.