COPD Selected Papers Online

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下記雑誌に掲載されたCOPDに関する論文のうち、注目すべき論文を4人の編集委員が厳選。病因・病態、診断・評価、薬物治療などの分野に分け、各論文を簡単な要約で紹介しています。現在、2010年1月~2021年1月までの論文を掲載しています。

2名以上の編集委員が推薦した論文を掲載しており、2012年以降の論文より全員が推薦したものは、「」を表示しております。

※現在1156論文紹介しています。

対象雑誌

基礎系:
Am J Respir Cell Mol Biol, Cell, Nat Genet, Nature, PLoS One, Proc Natl Acad Sci USA など
臨床系:
Ann Intern Med, BMJ, JAMA, Lancet, Lancet Respir Med, N Engl J Med など
学会誌:
Am J Respir Crit Care Med, Chest, Eur Respir J, Respirology, Thorax など

編集主幹

  • 福地 義之助(順天堂大学 名誉教授)

編集委員

  • 杉浦 久敏 (東北大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 教授)
  • 柴田 陽光 (福島県立医科大学呼吸器内科 主任教授)
  • 室 繁郎  (奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授)

2010.1~2018.12までの編集委員

  • 永井 厚志 (新百合ヶ丘総合病院呼吸器疾患研究所 所長)
  • 西村 正治 (北海道呼吸器疾患研究所 北海道大学 名誉教授)
  • 三嶋 理晃 (大阪府済生会 野江医療福祉センター 総長 野江病院 院長 京都大学 名誉教授)

最新論文

Augmented Lipocalin-3 Is Associated with Chronic Obstructive Pulmonary Disease and Counteracts Lung Adenocarcinoma Development.

Treekitkarnmongkol W, Hassane M, Sinjab A, et al.

自然免疫調節因子リポカリン2(LCN2)の肺炎症および肺腺癌における役割を検討した。Lcn2は肺腺癌発症中に徐々に上昇し、向炎症サイトカインおよび炎症性遺伝子セットと正の相関を示した。正常肺と比較して、LCN2はヒト腺癌で上昇していたが、扁平上皮癌では上昇しておらず、喫煙者のCOPDおよび腺癌患者と関連していた。LCN2発現の増加は、COPD関連腺癌発症の分子的様相であるが、抗癌免疫を維持することで、腺癌増殖には抵抗している。

Am J Respir Crit Care Med. 2021 Jan 1;203(1):90-101.

Computed Tomography-based Airway Surface Area-to-Volume Ratio for Phenotyping Airway Remodeling in Chronic Obstructive Pulmonary Disease.

Bodduluri S, Kizhakke Puliyakote A, Nakhmani A, et al.

気道狭窄が進行すると、気道内腔表面積対体積(SA/V)は増加し、気道欠失が優位であれば、SA/Vは減少する。気道SA/Vは、FEV1/FVC(β=0.12、p<0.001)および%FEV1(β=20.10、p<0.001)と独立して関連していた。気道SA/Vはまた、6分間歩行距離・呼吸器関連QOL・呼吸機能低下と独立して関連していた。気道狭窄優位型の患者(n=2,914、66.3%)と比較して、気道欠失優位型の患者(n=1,484、33.7%)は生存率が低かった(全死亡のHR=1.58、95%CI;1.18-2.13、p=0.002)。

Am J Respir Crit Care Med. 2021 Jan 15;203(2):185-191.

Lower PDL1, PDL3, and AXL Expression on Lung Myeloid Cells Suggests Inflammatory Bias in Smoking and Chronic Obstructive Pulmonary Disease.

Vasudevan S, Vásquez JJ, Chen W, et al.

本研究は、COPDにおける気道骨髄系細胞の免疫表現型の様相を評価することを目的とした。多数のCD68+細胞およびCD68-細胞が同定された。22の異なる表現型クラスターが同定されそのうち18は骨髄系細胞であった。COPD患者のBALでは、リクルートされたと考えられる骨髄系細胞(CD68+古典的単球)が増加していることが確認された。喫煙者およびCOPD患者由来のBAL中細胞ではAXL発現が低下していた。またCOPD患者では、PDL1/2highクラスターの豊富さ、いくつかのマクロファージサブタイプにおけるPDL1およびPDL2発現に明らかな差異が認められ、炎症反応が調整されていることが示唆された。

Am J Respir Cell Mol Biol. 2020 Dec;63(6):780-793.

Risk of COVID-19-related death among patients with chronic obstructive pulmonary disease or asthma prescribed inhaled corticosteroids: an observational cohort study using the OpenSAFELY platform.

Schultze A, Walker AJ, MacKenna B, et al.

本研究では、COPDまたは喘息患者におけるICSとCOVID-19関連死との関連を検討した。LABA+LAMAの併用療法を処方された患者と比較して、ICSを処方されたCOPD患者では、COVID-19関連死リスクが上昇していた(調整後HR:1.39[95% CI;1.10-1.76])。また、SABAのみを処方された患者と比較して、高用量ICSを処方された喘息患者では、COVID-19関連死リスクが上昇していた(同1.55[同1.10-2.18])が、低用量または中用量ICSを処方された患者では上昇していなかった(同1.14[同0.85-1.54])。感度分析では、確認された見かけ上の有害な関連は、ICSを処方された患者とICSを処方されなかった患者の間の健康上の比較的わずかな差違で説明できることが示された(E値の95% CI下限値:1.43)。本研究結果では、喘息またはCOPD患者のCOVID-19関連死を防ぐ上で、ICSの定期的使用が主要な役割を果たすという裏付けは得られなかった。

Lancet Respir Med. 2020 Nov;8(11):1106-1120.

Protective effect of club cell secretory protein (CC-17) on COPD risk and progression: a Mendelian randomisation study.

Milne S, Li X, Hernandez Cordero AI, et al.

抗炎症性肺蛋白であるクラブ細胞分泌蛋白-16(CC-16)は、COPDの臨床的発現と関連している。本研究では、メンデルランダム化(MR)解析を用いて、COPD発症リスクおよび進行に対して血中CC-16レベルの因果効果があるかを検討した。血中CC-16レベルと独立して関連する(p<5×10-8)7つのSNPsが同定され、そのうち6つは新たに発見されたものであった。MR解析によって、COPDリスク(MR推定値-0.11、p=0.008)および進行(LHSコホートのみ、MR推定値7.40、p=0.02)に対して、血中CC-16増加の保護的因果効果が示唆された。SNPsのうち5つはまた、CC-16エンコーディング遺伝子SCGB1A1を含むいくつかの遺伝子の肺組織における発現と関連していた。

Thorax. 2020 Nov;75(11):934-943.